sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

進級論文「なぜ少しのポイント移動で水質が異なるのか。―神戸港水質調査の結果を通してー」

こんにちは。佐山ゼミ3回生の上田奉正です。進級論文の発表を行っていきたいと思います。

私は3年生の夏休みを利用して国立環境研究所の牧秀明様と共に8月1日に神戸港のいくつかのポイントで水質調査を行った。その調査では、国立環境研究所で使用している本格的な道具を使用した。透明度、水温、塩分、溶存酸素量などを計測し、記録を採った。記録をしていくうちに、同じ神戸港でありながら、透明度や水温などがかなり異なるポイントが存在していることに気がついた。そして私はそのことに疑問を持った。「なぜ同じ神戸港でありながらこんなにも透明度や塩分が違うのだろう。」という疑問だ。私は水質調査をする前までは、同じ神戸港なのだから透明度などを計測しても同じ結果になるに決まっていると思っていた。しかし、実際に調査を行ってそれはまったく違っていたことから、なぜ、ここまで水質が変わるのか、原因を追究してみたく、この研究を行うことにした。

私が持った疑問である、「なぜ同じ海にもかかわらず、透明度に差があるのか」という疑問に私は1つの仮説を設定した。その人間活動の大きさを調べるにあたって、私は下水処理場に的をしぼった。実際に調査を行った6つのポイントには、近くに下水処理場があるポイントとないポイントが存在していた。下水処理場からの放流水が海の水質に与える影響は大きく、下水処理場が存在するポイントには、人間が捨ててきた汚染物質がたくさん流れてきており、海に捨てられている。よってその下水処理場近くのポイントの調査は、人間活動の大きさを表せていることとなる。その下水処理場が近くにあるポイントの透明度が低く、下水処理場が近くにないポイントの透明度が高ければ、この仮説は正しくなる。もし、そのような関係性が生まれなければ、この仮説は棄却され、透明度の違いには他に原因があるということが判明され、なぜ仮説が違っていたのかを分析していきたい。

下水処理場が比較的近くにあるポイントでは透明度が低く、立ち入り禁止エリアの閉鎖性海域のポイントでは透明度が一番高いという結果であった。このことから、私の建てた仮説である「海の透明度は、人間活動の影響と関係がある」というのは正しかった。このことから、海の透明度は、人間活動の大きさによって変わることがわかった。このような結果を見てわかる通り、人間活動が環境に与える影響は大きなものである。この結果を見て私は、人間活動を見直す必要があると考えた。今回調査を行ったポイントでは、釣り人がたくさんいるポイントもあった。そこでは、ゴミを持ち返ることなく、そのまま海に捨ててしまっている人が多かった。そのポイントでは、透明度も低くなっていた。釣男する人は、魚がほしいのに、ゴミを捨てることによって、魚が減ってしまえば、その釣り人にとっても良いことではない。

このように自然を多く利用している人間が、自ら自然を汚してしまうということになってしまえば、すべて自分たちに返ってくるということを自覚してほしいと私は思った。これで私の進級論文は終了するが、実際、人間活動が水質に与える影響は透明度だけであるとは限らない。この論文を卒業論文につなげていき、人間活動が環境に与える影響の大きさをこれからも訴えていきたい。

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。