こんにちは!佐山研究室 新4回生の伊勢美咲です。
さっそくですが、今日は何日でしょうか?
。。。。3月9日ですね。
そう、歌手のレミオロメンで有名な卒業ソングのタイトルでもあります。
皆さんも、卒業シーズンということで新学期に向けて、なにか決意を新たにすることも多いかと思います。
佐山研究室でも追いコンがあったり、白山麓実習プロジェクトでも授業化に伴う意識改革があったりと、新学期へ向けて新たな体制が着々と敷かれようとしています。
では!前置きはこのくらいにして、今回は私の進級論文についてご紹介しようと思います。
タイトルは『工業型畜産から日本型放牧への転換可能性に関する研究』です。
まず、みなさんは以下のような場面に遭遇します。
「あなたは自宅で夕食をとっています。お皿の上には、牛(食用のステーキの状態)。ソファの上には猫(愛玩動物、ペット)がいます。」
これはハロルド・ハーツォグが著書の中で、現在の畜産体制を揶揄した一文です。
これはペットを飼っている家庭なら、似たようなことは必ず体験しているはずです。
ここであなたは以下のような考えが思い浮かんだかもしれません。
①人間は肉食動物なのだから仕方のないことだ。
②そういうことは考えないようにしている
③だって肉が好きなんだから仕方ない!
etc…
どれも正論といえば正論です。
だってこれは倫理上の問題だからです。勿論答えはありませんし、永遠の人間と動物のテーマであります。
ですが、みなさん、この牛のような家畜動物(牛・豚・鳥 等)の飼育状況はご存知でしょうか。まさか、よくある牛乳パックとかに描かれたりしている「北海道のような大草原で、のびのびと飼育されている」なんてことは思いませんよね?
現在日本では、以下の飼育体制が約8割を占めています。
http://urbanveganhic.com/tag/factory-farms/
このように集中家畜飼養施設(CAFO)に飼育し、効率化、生産性を追い求めた畜産体制を、「工業畜産」といいます。
この工業畜産には、実に多くの問題が潜んでいるのです。
大きく分けて以下の3つです。
1、環境破壊
2、食糧危機
3、動物の権利
特に環境破壊に対する影響は深刻で、国連食糧農業機関(FAO)は2006年に『Livestock’s long shadow』で、家畜、特に牛が世界一の環境破壊者となったという調査報告を発表しています。
よって、肉食自体を認めるのは倫理上の問題として個人に判断委託されていますが、この生産体制は変えていく必要があります。
車でも、ガソリン車から電気自動車への移行しているように、今や同様に、工業畜産も環境破壊を続けてまで効率化を追求する必要はなく、別の方法へ移行する時です。
ここで、「工業畜産」の代替案として私が提案するのが、タイトルにもある「日本型放牧」です。
定義としては、「中山間地域などの生産条件が不利な地域において、草地造成を伴い棚田や急傾斜地等の条件を生かした低コストで省力的な飼養管理が可能な放牧」です。つまり、日本の少子高齢化によって増え続けている耕作放棄地を利用して牛や羊を放牧しよう、という画期的な取り組みです。
昨年の夏に、実際に日本型放牧が行われているという現場(石川県白山市木滑地区)へ視察に行きました。
(本人撮影)
この鬱蒼とした茂みの中に、警戒してこちらを伺う牛が数頭いました。
この一見画期的な取り組みである日本型放牧。
しかし何故か日本社会に浸透していません。
日本型放牧推進するために「レンタカウ」という放牧牛貸付制度に着目し、それを中心に論文を展開していきました。
これ以上の詳細は長くなりそうなので割愛いたします。
卒業論文では、工業畜産をまた別の角度から考察し、害獣の食肉活用の販路を研究していこうと考えています!
では、、、
冒頭に申し上げましたとおり、本日は3月9日です。
つまり 3 9 の日でもあります!
(サン キュー)
お世話になった先輩方、先生方、そして友達や親しい人との別れ。
別れはもちろん悲しいものです。
ですがその人と「出会えたこと」、そこに感謝をしながら、それぞれの道へ歩みを進めて行きたいですね。
では、長くなりましたがご拝読有難うございました。
サンキュー!!!(^O^)