sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

2017年 阿蘇合宿

みなさん、こんにちは。佐山ゼミ3回の渡邊永です。

 

遅くなりましたが、今回9月8日〜11日に実施しました熊本・阿蘇での実習の報告をさせていただきます。

今回の実習では小椋先輩、上田くん、長谷波さんそして私の4人での参加でした。4日間をかけて阿蘇の草原の成り立ちや現在維持活動をされていらっしゃる方のお話さらには実際に維持活動の体験を主に体験しました。私は出身が熊本県でもあることから今回は熊本での実習を選びましたが、新たな発見の連続で、魅力がたくさん感じられた4日間となりましたのでみなさんにもぜひ伝わればと思います。では、紹介させていただきます。

 

1日目は阿蘇くじゅう国立公園※1 ので活動・管理されていらっしゃるレンジャーの方に案内していただき、阿蘇の草原のお話をしていただきました。また大観峰への登山にもチャレンジしました。

大観峰へは普段は山頂まで車でいける場所ですが、今回はレンジャーの方と一緒に大観峰の途中から登山を開始しました。登山入り口を入って行くと人工林が根を張り、急な坂でも根っこが階段の役割をしており自然ならでは構造に実習メンバー全員が驚いていました。

森を抜けると草原が生い茂り、私の身長ほどの草がたくさん生えていました。それらの草をかき分ける大変さはあまり体験できないもので、かき分けるという作業だけで体力がとても消耗されていたみたいです。

ただ、登っていくと急に視界が広がり、阿蘇五岳全体を眺めることのできる見晴らしの良い場所も現れました。

その景色を見たときは一瞬にして疲れが飛ぶほどでした。

 

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そして山頂に到着すると、阿蘇全体の景色が見ることができました。阿蘇ははるか昔に火山が噴火してできた地域で、世界最大級のカルデラを持つことでも有名ですが、これは実際に訪れて体験してみること自体にとても価値を感じると思います。中々他の地域では体験できないような景色と雄大さが体に感じられます。

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そして、2日目以降は阿蘇の草原をどのように守っていくのか。実際に草原の保全・維持のボランティア活動をされていらっしゃる方々に同行し輪地切りをさせていただきました。輪地切りとは、阿蘇で使用されている言葉で、阿蘇雄大な草原を野焼きする際、飛び火をしないように防火線を作るところから始まります。その防火線を作るために飛び火してはいけない部分の草原を刈ることを輪地切りと呼んでいます。野焼きをする際に輪地切りが最も重要かつ体力のいる作業だそうです。

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軽トラックでしかかき分けられないような場所を進み、起伏のある草原の谷間から輪地切りが始まります。

今回参加したメンバーのほとんどが草刈機を初めて使用するため、最初はボランティアの方達に教えていただきながらも見よう見まねで頑張りました。最初は幅50cmくらいしか切ることができていませんでしたが、始めてからしばらく経つと、草のどのあたりに刃を入れるのか、どのような操作方法が一番上手く切れるのかがわかるようになってきました。ベテランのボランティアの方だと15年も続けておられるので、敵うことはできませんが自分たちなりに進めていくことができました。

実習に参加したメンバーは阿蘇から帰ってきても草を見ると切りたくなるそうです。

そして、阿蘇の草原にはさまざな動物や植物が生息しています。草原の至る場所であか牛が放牧されてあったり、リンドウといった珍しい植物も生息していました。

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やってみての感想は、正直とても大変で苦労するものでした。平たんな草原もあれば急斜面の草原もあります。ただ、輪地切りを行い防火線を作るためにはどのような場所でも野焼きの準備を進めていかなければならないので完全い仕上げなければなりません。それを考えると、1000年もの間時代や状況が変わりながらも、阿蘇の草原を野焼きし、この景観を維持してこられたことは本当に素晴らしいことだと考えさせられます。

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この4日間で阿蘇の草原に関する様々な状況を知る中で、1000年間も絶やすことなく続けられてきたこの活動が本当に素晴らしいものだと感じると同時に今後どのようにしていけば維持できるのかも考えさせられました。

また、阿蘇には他では見られない景観や動植物がたくさん生息しており、終始興味深いものがたくさんありました。

私自身阿蘇には小さいころから馴染みがありながらも、輪地切りなどの体験を通して改めて阿蘇の魅力を感じることができました。また、来年も実習で訪れて色んな人に少しでも阿蘇に興味を持ってもらおうと感じています。

 

改め、今回阿蘇でお世話になった阿蘇くじゅう国立公園のレンジャーの方、そしてボランティアを受けれてくださった公益財団法人阿蘇グリーンストックの皆様、そしてボランティアの方々には感謝しています。ありがとうございました。

 

最後に阿蘇にはたくさんの美味しいものもあります!ぜひ観光で訪れるのも楽しいかと思います。

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以上、2017年の阿蘇合宿の報告でした。最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

※1 阿蘇くじゅう国立公園... 昭和9年12月4日に指定された国立公園。面積は約73,000haあり、カルデラや活火山、周辺にある草千里をはじめとした珍しい景観が見れるのが特徴。ニホンカモシカオオルリシジミといった動物やミヤマキリシマ、ハナシノブ等の珍しい植物も発見されている。