sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

進級論文について

春から4回になります、鎌田です。

 

私は自分の故郷である三重県四日市市の製茶産業についてをテーマとして進級論文を書きました。

工業地帯で有名な四日市ですが、実は自然豊かな地域でもあり、鈴鹿山脈の麓である水沢地区においては全国でも有数のかぶせ茶の産地となっています。かぶせ茶とは何か。収穫直前に遮光ネットを茶葉に被せ、旨みと甘みを引き出してから収穫する栽培方法で作られたお茶のことです。(玉露とかも基本的には同じ栽培方法です。)

 

私はそんな場所で生まれ育ったわけですが、なぜこの地域でお茶が盛んに栽培され、またわざわざ手間のかかるかぶせ茶という方法をとっているのか私は疑問に感じました。

私は水沢地区の地形や気候から調べてみることにしました。 すると、気温や降水量、扇状地であるので水はけが良いことなど、お茶を栽培するにあたってベストな土地であることが判明しました。

 

ではなぜ通常の比較的楽な栽培方法ではなく、手間がかかるかぶせ茶の栽培が盛んなのでしょうか。それには山間部という土地柄と日照時間が短いことが関係していると導き出すことができました。

この二つの要因がお茶の栽培に与える影響は、「大規模栽培が難しい」ということです。

午後は鈴鹿山脈の影に隠れるため日が短く、茶葉の成長がゆっくりになり、また山間部であるため大規模に機械化することができないのです。よって、水沢町の製茶産業においては、「量」ではなく「質」で勝負する必要があったのです。

 

その結果採用されたのが、遮光ネットを被せるという一手間を加えることによって、通常の茶葉では味わうことができない甘味とうまみを感じることができる、かぶせ茶という栽培方法だったのです。

水沢地区においては、地域の特性にしっかりとフィットした、最も効率の良い産業が展開されてるということがわかりました。