sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

2018年 上高地実習報告

皆さん、こんにちは。

佐山ゼミ4回生の和田 紗季です。

夏休みはいかがお過ごしでしょうか。

 

佐山ゼミのゼミ生は、この夏も様々な実習に参加しました!

本日は、私が参加した、上高地実習について、報告したいと思います。

 

みなさん、上高地はご存知でしょうか。

上高地は、長野県松本市にある標高1500メートルの山岳景勝地です。中部山岳国立公園の一部で、国の文化財(特別名勝特別天然記念物)に指定されています。

これが上高地で撮った写真です。

image1 image2

曇りではありましたが、ダイナミックな風景が望めました!

上高地では、この美しい自然環境を保護するために、様々な環境保護活動に取り組んでいます。実習では、環境維持活動のニホンザルの追い払いと、アンケート集計作業をお手伝いさせてもらいました。

◆実習一日目

この日は、国立公園の職員さんたちから、上高地の自然保護と維持管理についてオリエンテーションがありました。アクティブレンジャーの方からは、自然保護の取り組みや、上高地の現状、普段の業務などについて学びました。公園の財務管理局の方からは、上高地の景観を維持するための財政の運営の方法と課題を教えていただきました。

◆二日目

二日目は、レクチャーで学んだ、自然保護活動の一つ、「サルの追い払い」に挑戦しました。

貴重な自然が残る上高地には、ツキノワグマニホンザルニホンカモシカなどの野生動物が生息しています。しかし、最近、観光客の増加と共に、野生動物の人慣れが進んでいるのだそうです。人間が食べ物を与えたり、手なずけたりすると、動物たちの本来の生態系が変化してしまいます。

アクティブレンジャーの方は、野生動物本来の生き方を保護するために、サルの追い払いを行っています。

サルの追い払いは、人に近づきすぎたサルを森へ追い返す活動です。追い払いの際は、私たちもサルに触れることができないため、エアガンを使ってサルを森へ誘導します。

 

出発前に、レクチャーを受けます。

image3

銃を持っているだけだとかなり怪しいので、活動中だと分かるように、ビブスを着ています。

 

さあ、いよいよ出発!

image4

森から帰ってきた観光客の方からの情報を頼りに、サルを探しまず。観光客の方へは、サルに近づきすぎないよう、啓発活動も行います。

 

この日はなかなか見つかりませんでしたが、最後の最後に、山のふもとにサルがいるとの情報が入ったため、急いで現地へ移動しました。

image5

レンジャーの方もかなり近くまで追いかけましたが、サルの足は速く、あっという間にヒョイヒョイッと山の奥に逃げて行ってしまいました。

 

日本の美しい自然風景を守るためには、こうした取り組みも必要になります。

動物の生態系が守られることで、自然も守られる、逆もまたしかりということですね。

 

午後からはアンケートの集計をしました。

image6

5人+佐山先生で交代しながら、なんとか集計することができました。この経験は、進級論文や卒業論文で活かせるのではないかと思います。

 

◆学んだこと

今回、2日間ではありましたが、国立公園に関する様々なお仕事について知ることができました。実習を通して、自然景観の保護と維持管理の両立は、とても簡単とは言えないものだなと感じました。

長い間、人びとに感動を与えてきた自然景観は、人びとの生活も支えてきました。そんな自然を保護するためには、たくさんの人にその姿を知ってもらうこと、また、その保護に取り組んでもらう必要があります。そのためには、人が来られるように道を整備し、トイレなどの施設を設ける必要もあります。私の第一印象として、上高地はかなり整備されており、観光地としても魅力的な場所でした。しかし、そうした施設の維持や管理、自然景観の保護や啓発のためには、お金がかかります。国の補助だけで賄うことはできないところは、駐車場料金の一部を利用することなども必要になってきます。そうしたことに、人びとの理解があることと、ないことでは大きな違いがあります。

 

今回の上高地実習を通して、今まで知らなかった日本の魅力や、自然保護、管理、維持の難しさを学びました。今年は、自然の脅威を思い知らされた年でしたが、私たちは、自然の美しさからも、恐ろしさからも学ぶことがたくさんあったなと思いました。日々の中で、どこか人間本位で生きているときもあります。しかし、たまには自然のある場所を訪れて、自然の美しさ、厳しさ、偉大さを肌で感じること、普段、自然環境とは無縁のように思える場所においても、影響を受けているということを自覚する時間を持つことも大切だなと感じました。天候の変化や災害など、私たちには到底想像もつかないことが起きていますが、人は、環境のこと、自然のこと、自分たちが生きている、生かされているこの地球について考えることはできます。諦めたり、見切りをつけたりするのではなく、最後まで知ろうとすること、考えて行動することが大事だなと思いました。

image7

長くなりましたが、学び多き3日間でした。ご指導くださった皆さん、大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

最後までお読みいただいた皆さん、ぜひ自然のある場所へ足を運んでみてくださいね!