sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

進級論文について

こんにちは。高橋悠です。

私の進級論文のテーマは「みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)における管理運営に関する研究ー市民と行政による協働のしくみー」です。
私は2回生のときに総合政策演習(パークマネジメント)を履修したことをきっかけに公園について興味を抱き、どこかの公園を対象とした研究をしたいと考えました。みなとのもり公園を選んだ理由は、市民と行政の協働によって管理運営が行われているという特徴があったからです。

【研究目的】
みなとのもり公園では市民と行政による協働がどのように行われてきたのか、また現状と課題を明らかにすることを目的としました。

【文献調査】
調査の結果から、みなとのもり公園における市民参画は①計画・検討段階、②設計・施行段階、③運営・活動段階の3段階に区分できることが分かりました。
①計画・検討段階では2002年7月から2003年7月にかけて「市民ワークショップ」が全3回実施され、公園に必要な機能やゾーニングについての検討など公園整備に向けた案がまとめられました。次に、2005年に「基本設計懇話会」が3回実施され、現在のみなとのもり公園の形につながるゾーニング計画が行われました。
②設計・施行段階では2006年4月に「みなとのもり公園検討会」が設置され、整備計画のとりまとめや開園後の管理運営に対する取り組みの検討など2010年までの間に44回実施されました。公園の整備工事は2007年から2009年に行われました。工事中でも市民が参加できる手法として市民が育てたどんぐりの苗木を植樹するという提案が検討会の中であがり、2008年から2010年の間に合計約1900本のドングリの苗木が3回に分けて植樹されました。
③運営・活動段階では2010年3月に「公園の開園を経てこれまでの取り組みを継続・発展させていくことを目指す市民の自主的組織」として「みなとのもり公園運営会議」が設立されました。
このように、みなとのもり公園では計画・検討段階から市民と行政による協働が行われており、市民が一から主体的に公園づくりに参加してきたことが分かりました。

ヒアリング調査】
みなとのもり公園の現状と課題を明らかにするために、公園管理者である神戸市の職員とボランティアとして活動されている方にヒアリング調査を行いました。
調査の結果から、限られた財源の中での公園整備や管理運営にはみなとのもり公園運営会議の支えが必要不可欠であることが分かりました。一方で、SNS等を利用した活動に関する広い宣伝や、今後みなとのもり公園運営会議において中心となって活動していく後継者の育成が課題としてあげられました。

今後の展開としては、市民と行政の協働による管理運営が行われている他の公園について研究することで、みなとのもり公園における管理運営との違いを比較したいと思います。