sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

環境測定実習について

お久しぶりです。佐山ゼミ3年の永田良樹です。

今回は9月19日より始まり先日12月7日まで実習形式で行われた、環境測定実習について書かせていただきます!

なおこの実習は、一般財団法人西環境管理技術センターの常務理事件事務局長である門口 敬子様ほか、各回社員の方々のもと、環境測定とは何かから実際にどのように測定を行っているかを学びます。

場所は学校で行われた概論を除き、同センターにて行われました。

スケジュールとしては下記の通りです。

9/19 概論 9/28 水質測定 11/9 大気質測定 11/30 騒音・振動測定 12/7 悪臭測定

各回実際の測定機器を用いてとても貴重な測定体験をさせていただき、印象的な場面も本当にたくさんあったのですが、あまりにも長くなってしまうのでその中でも特にみなさんに知っていただきたいことを中心に綴ります。

まず考えたいのは、環境測定とは何のためのものかということです。

ご存知の通り日本では昭和30年代〜40年代にかけて、高度経済成長に伴い甚大な健康被害が発生しました。特に有名なのが四大公害です。その公害を防ぐために作られたのが公害対策基本法でした。その後の世界情勢の移り変わりにより、環境汚染問題は複雑化し、広域化し、世界中の問題となり、地球規模の環境問題に対応していこうと考えて策定されたのが環境基本法です。(佐山先生の前職である環境省によるものなので覚えておきましょう。笑)

この中で生まれた考え方が、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準である「環境基準」と、発生源に対し環境中に放出できる濃度や量を規定したものが「排出基準」です。

基準を設けるためには何が必要でしょうか。数値化です。かの有名なピタゴラスの弟子であるフィロラオスは「知識に取り込まれるものは全て数を持つ。我々は数なしには何も理解できず認識できないからである」と言います。 つまり我々人間は数値化することによってはじめて理解できるのです。 さらに数値化することによって全ての人が正確に共有できる情報となり、ダメなライン、いいラインというものが一目でわかるようになります。

結局長くなりましたが(すみません笑)、なぜ測定するのかご理解いただけたでしょうか。

続いて少しだけ実際の測定の様子を見ていただきます。

IMG_4201

写真は水質検査にて体験させていただいた川での取水作業です。一言で取水作業といっても水を汲むだけではありません。時間、水の流れの速さ、水温、気温、取水した場所等々さまざまな要因によって汚染具合が変わると考えられるのです。実際の作業では朝から次の日の朝まで場所を変え続けながら、定期的に取水作業をし続けます。こうしないと正確なデータであるとは言えません。 このように正確なデータを出してはじめてどれほどその水が汚染しており、汚染源がどこにあるかがわかり対策を取ることができます。

最後に門口様はじめ関西環境管理技術センターの方たちが大事にされている考え方を紹介します。

ー常に「5W1H」を意識して測定することー

誰が何を、いつ、どこで、どのように測定するのか。そしてそれが誰がためであるのか。忘れてしまっては測定の意義を見失ってしまいます。

私たちが健康生きて行くために絶対欠かせないものである経済活動を支えている環境測定。まさに縁の下の力持ち。 センターで働いてる方々はお仕事に誇りを持っていらっしゃるように感じました。その誇りに少しだけ触れさせていただいたこと、改めてここでお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

ピース ekitai

環境測定のみならず、考えてみれば私たちは知らず知らずのうちにお世話になっている仕事がたくさんあることを考えさせられる実習でした。誰かの支えがあって生きていることへの感謝を忘れず今後の人生を歩んでいきたいと思います。 本日はここまでです。お読みいただいた方ありがとうございました。

永田良樹