こんにちは!佐山ゼミ3回生の柴田汐音です。
2回目の投稿となる今回は、進級論文の内容について報告させていただきます。
私の進級論文のテーマは、「国立公園における観光政策 -上高地のアンケート調査を通して-」です。
〇研究目的
私は、夏季実習で中部山岳国立公園の南部地域にある上高地に行かせていただきました。上高地では美しい自然を守るために、マイカーの規制や、動植物の採集の規制などが行われていて環境保護が徹底されています。しかし一方で、トイレが有料であったり、マイカーの規制があるのに関わらずバスの本数が少なく混雑していたりと観光客にとって不便なところが多いように見え、観光政策としては不十分なところがあるのではないかと考えました。そこで、この研究目的を国立公園の観光面での課題発見と課題解決とすることにしました。
〇研究内容・結果
今回調査するにあたり、環境省の国立公園課が主体となって実際におこなっているアンケートをお借りして、統計をとりました。
また今回は、
(A)2回以上訪れている人は少ない
(B)国籍に偏りがある
と既存研究を参考にこの2つの仮設を設定しました。
結果として、中部山岳国立公園南部地域へ来たのは今回が何回目ですかという問いに対して、初めて訪れたと回答した人が262人中179人いたことから仮説(A)は立証されました。
次に、国籍を問うものより、日本人に次いで中国、台湾、韓国の順に多いことが分かり、アジア人に偏りがあることから仮説(B)は立証されました。
今回のアンケート調査より、国籍や年代に偏りがあるものの多くの人が上高地の観光に満足しており、他の人にも薦めたいと感じていることが分かりました。今後、より多くの観光客を呼び寄せるためには、今の観光政策を見直し、新しい施策を考える必要があると考えます。
例えば、雨天時に活動が限られるのが残念だというアンケートの意見から、多少の雨ならばプログラムは中止せず、レイングッズの貸し出しや、寒さで体調を崩さないように温泉にはいることをプログラムの一環にすることを1つの策として挙げました。加えて、国籍の偏りの問題から、外国人向けの新たなツアーの提案や、インターネットから多言語で国立公園の情報発信をすること、標識やマップの多言語対応の強化などを薦めるべきだと考えます。
今後の方向性としては、観光客が国立公園へ訪問する目的に国籍で違いがあるのかどうか調査し、新しいアンケートをとるなどして、観光客の趣旨をよく理解した上で、より効果的かつ具体的な政策を提案できるように卒業論文に繋げたいと考えています。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!