sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

台湾留学記 No.4

こんにちは! 台湾留学中の櫻井晴菜です(^^)

台湾に来て3週間が経ちこちらの暮らしにも慣れてきました。 なぜかよく現地の人に道を聞かれることが多く(すでに4回聞かれました) そんなに台湾人に顔立ちが似ているのかと思って友達に聞いてみると 「君は化粧をしないからだよ。日本人の女の子はみんなチークが濃いからすぐわかる。」 と言われてちょっと複雑な気持ちに・・・ 道を聞かれるたびに”Sorry, I can’t speak Chinese!”と断るのも心苦しいので これからはちゃんと化粧をしようと思いました(笑)。

さて、今回は台湾の歴史について教わったことや、実際に感じたことなどをご紹介します。

いきなりですが、二・二八事件をご存知でしょうか? 日本で起こった二・二六事件(昭和維新と称されたクーデター事件)とは違いますよ。 私も実際台湾に来るまでは知らなかったのですが、台湾の人々にとって重要な出来事です。 今から67年前の1947年の2月27日、台北市で当時禁止されていたタバコを販売していたおばあさんを警察が暴行し、 それに同情した台湾人(本省人)が集まり批判すると全く関係ない人を警察が射殺しました。 これをきっかけに翌28日から始まった政府へのデモ、それに対する武力制圧を二・二八事件といいます。 当時、第二次世界大戦が終わり台湾を統治していた日本が去り、中国から蒋介石が国民党を引き連れ(外省人)台湾を統治していました。 始めは歓迎されていたものの、圧力的な恐怖政治や腐敗した政府に多くの台湾人は不信感を募らせていました。 事件により、そういった不信感を持つ本省人が殺害され、特に医者や法律家、教授といった知識人が次々と殺されました。 しかし、このことはしばらくの間口に出してはいけないタブーでした。 なぜなら、二度とこのような反乱を起こさせないように国民党が監視していたからです。 1988年に初めて本省人李登輝が総統になり、台湾が民主化してからやっと政府がこの事件について認め遺族に謝罪しました。 それから学校の教科書でもきちんと教えられるようになったのですが、 私の中国語の先生は指導要領改訂の時に初めてこの事件を知って衝撃を受けたと言っていました。

現在台湾で2月28日は事件を受けて和平記念日という祝日となっています。 この日、授業もお休みだったので台湾人の友達に二・二八和平公園などに連れて行ってもらいました! 公園では式典が行われ、現在の総統馬英九がスピーチをしていました。 一方で周りでは中国からの完全な独立を求める運動も行われ、厳重な警備がなされていました。 日本でこういった場面に立ち会えることはほとんどないので驚きました。 日本人の友達とも話していたのですが、台湾に来て改めて日本の平和さに気付きます。 日中関係の悪化が問題視されていますが、それはメディアを通して報道されているだけで実際の状況を知っているわけではありません。 台湾で暮らしているとテレビを見ていないのにも関わらず、台中関係のナイーブなところが日常的に感じられます。 むしろメディアからの情報がシャットダウンされているためよりリアルに感じられる気がします。

多くの台湾人が親日家であると言われているのにも統治時代のことが関連しています。 前述したように、中国は台湾の人々に対し虐殺を行うなどひどい目にあわせました。 同じ日本も台湾を統治していたのにどうしてだろうと出発前までは疑問に思っていましたが、 前回のブログでご紹介した蓬莱米のように、様々なセクターで日本は台湾の発展を支えたという歴史があります。 中国統治時代の台湾人は、「犬去りて、豚来たる(狗去豬來)」(意味:犬〔日本人〕はうるさくても役に立つが、豚〔中国人〕はただ貪り食うのみ)と揶揄していたとも言われています。 事実、台湾の人はとても優しくしてくれます。困ったことがあればすぐ助けてくれますし、私が日本人だと分かると知っている日本語で気さくに話しかけてくれます。 はじめに書いたように一人でいると日本人には見られないので、恩恵を受けるのは大概日本人の友達と居る時だけですが(笑)。

若者の間でも日本のサブカルチャーがとても流行しています。 ちょうど台湾に来た週の週末、大学のスポーツセンターでアニメのイベント(日本で言うコミケ?) が行われ 日本の人気アニメキャラクターのコスプレをした人がたくさんキャンパス内を歩いていてびっくりしました。 また、日本のテレビ番組やドラマ、映画も放映されているため、 こないだ友達に「倍返しだ!」と言われた時には唖然としてしまいました(笑)。

しかし、日本も台湾に対して恩恵ばかりを与えてきたとは限りません。 日本統治時代の発展を美化した教科書を改訂しようという動きもあります。 実際に日本は台湾でなく中国と国交を結ぶことを選びました。 単に日中関係、日台関係だけでなくその他周辺の国々との関係を多角的に見ることのできる考え方が必要だと思いました。

再見!