sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

スリランカ留学レポート(2) 陸上大会から見たスリランカ

アーユーボーワン!

みなさんこんにちは!

 

佐山ゼミ3年の和田です。

私は現在、国際社会貢献プログラムで、スリランカに来ています。

スリランカでは、青年海外協力隊の短期隊員として5か月間、子どもたちに体育の指導を行います。

このブログでは毎週、私がスリランカで体験してことをレポートさせていただいています。

 

今回は、先週観戦したスリランカの陸上大会を皆さんにご紹介したいと思います。

先週、スリランカ北部で陸上の指導者として活動されている先輩隊員さんに同行させてもらって、陸上大会を見学させていただきました。

 

スリランカでは、10月は、学生スポーツの全国大会が行われる時期らしく、コロンボのあらゆる競技場でサッカーやバドミントンなど、さまざまなスポーツの全国大会が行われています。今回観戦した陸上大会もそのうちの一つです。

 

私が訪れたのは、サマスタランカという陸上の全国大会。

サマスタランカは、スリランカ全土の優秀な陸上選手が集まってくる大会で、小学生から高校生くらいの子どもたちが出場していました。

 

今回会場になったスタジアムは、コロンボの中心部から一時間ほどの場所にありました。

入り口はこんな感じ。↓

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駐車場では、スポーツウェアやトレーニンググッズも販売されており、活気を感じます。

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驚いたのは、想像以上にしっかりしたスタジアムです。この会場は、タータン(茶色いゴム製の道)が敷かれていました。

日本では、各都道府県のしっかりした競技場には必ずタータンが敷かれているあると思われますが、スリランカでは、コロンボの二か所のスタジアムにしかないのだとか。

ここからは、そんなスリランカの陸上大会を観戦して気付いたことをまとめてみました。

 

◆裸足の選手

全国大会というだけあって、全体的な競技力は高いように思えたのですが、上位と下位の差が大きいように感じました。その理由としては、様々な要因が考えられると思いますが、選手をよく見ているとなんとなく、その理由が分かったような気がしました。

まずは、400メートル走の見ている時のことでした。

選手の足元をよく見ると、裸足のままタータンを駆け抜けています。

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スパイクを履くとはかないでは、スピードも、ジャンプ力も変わってくるので、多少記録に影響があると思います。また、短距離選手だと、スパイクのピンがとがっているので、もしピンが落ちていたり、隣の選手を当たったりしてしまえば大変です。もし私が選手だったら走れないなと思いました。観戦しながらも、怪我をしてしまわないか不安になりました。一方で、スリランカの人はたくましいですね。裸足でも速い選手は速い。結局はスパイクを履くのは好みでいいのかなとも思ったりしました。

 

もう一つの問題は、選手の練習環境なのだとか。

子どもたちには力があるものの、練習ができる環境が整っていなかったり、コーチのやる気や指導力が不十分だったりすることで、なかなか選手が伸びないのだとか。

これは、スリランカのみならず、日本でも同じことが言えるかもしれませんね。

 

スリランカの応援は太鼓!?

会場にいると、いたるところから太鼓の音が聞こえてきます。

スリランカの応援は、このような太鼓でリズムを取る生徒がいて、そのリズムに合わせてみんなが声を揃えたり、手拍子したりするようです。この太鼓のリズムがなかなかよく、私も気付いたら手拍子をして応援していました。

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◆民族間の壁

先週の記事で紹介させていただいた通り、スリランカには様々な民族がいます。

コロンボの発展度を見ると、想像もできませんが、実は、スリランカは2009年に紛争が終結したばかりの国です。大人はもちろん、小学生くらいの子どもたちも、紛争経験者です。スリランカ政府や国際機関は、民族融和に向けて様々な政策に取り組んでいるようですが、そう簡単には民族間の壁は低くならないようです。

今回の陸上大会でもその壁について、先輩隊員の方からお話を伺いました。

例えば、それは、場内アナウンスや生徒の来ているウェアからわかるそうです。

場内アナウンスでは、片方の言語しか使われず、少数民族の言葉には全く配慮されていないこともあるのだとか。また、教育環境的な面から言うと、少数民族の地域には、補助金がなかなか下りないために、交通費は全額自分で負担しなければならなかったり、チームユニフォームが揃えられなかったりするのだとか。

一方で、今回の大会では、両方の言語が話されていたり、他のチームの人でも応援し合ったりしている姿も見られて、スリランカの素敵な一面も見ることができました。

 

大人の世界だけで問題だと思われていることは、実は、子どもたちにまで大きな影響を与えているのかもしれないと感じた一日でした。

 

今回は陸上大会を取り上げて、気付いたことや感じたことを長々と書いてみましたが、これでもまだまだほんの一部です。目の前の光景を何の疑いもなく見ることもできますが、なぜこうなるのだろうとほんの少し頭を働かせるだけで、もっと広い世界が見えてくるように思います。

スリランカでの生活はまだまだ続きますが、この新鮮な感覚は忘れずに、これからも記事を書いていきたいと思います。

 

まとめにはなっていないかもしれませんが、それではまた来週!

ジェースピヒタイ!(キリスト教徒の方に「イエス・キリストのご加護がありますように」の意味)