パギ~!
マレーシアでインターン中、佐山ゼミ3回の本田香織です。
マレーシアにきてから毎週アップしてきたこのブログも、あと3回だと思うと内容にも悩みます...!
今回は原点回帰ということで、
私がKSNPでインターンをしたい、と思うようになったきっかけの1つであるマングローブ、
その中でもマングローブの根っこに焦点を当てて紹介したいと思います。
【マングローブの根っこたち】
マングローブを見たことがある方はお分かりになると思いますが、
たこ足のようにうねっていたり地面から突き出していたりマングローブの根は多種多様かつ特徴的です。
そもそも植物の根の役割は体を支えるのはもちろん、
水分や養分の吸収、そして酸素や二酸化炭素を取り込む呼吸にあります。
そのため通常の植物は地下に向かって根を張るのに対し、マングローブは地上に向かって根を発達させます。
なぜならマングローブの生息地=泥は酸素が不足しているからです。
このように空気を取り込むために地表に張られた根を「呼吸根」といいます。
この呼吸根には様々な形があり、今回はそれを紹介したいと思います。
「支柱根」(しちゅうこん)
マングローブの根、と聞いて最初に思い浮かべるのがこのタコの足のような根っこだと思います。
呼吸の役割はもちろん、不安定な泥も中で幹を支える役割を担っていることから支柱根と呼ばれています。
この形が最も一般的なマングローブの根の形で、KSNPに生息するマングローブも多くがこの根をしています。
「通気根」(つうきこん)
次にこちら。
なんとこのタイプの根は葉緑体を持っており、葉と同じように光合成が行えることがわかっています。
つまりマングローブの根は、取り込んだ酸素や二酸化炭素を葉に送ることなくその場で光合成できる、省エネな植物なんです。
また筍が生えているようにも見えることから、日本などでは「筍根」(じゅんこん)ともよばれています。
「膝根」(しっこん)
こちらは人がひざを曲げたような形をしていることから膝根と呼ばれています。
なんと日本だけでなく海外でもknee rootと同じように呼ばれています。
「板根」(ばんこん)
こちらは見た目通り板のような形をしていることから板根と呼ばれています。
見た眼にもインパクトのある板根ですが、KSNPのマングローブでこの根を持つものはほとんどありません。
ということでKSNPでも様々なタイプのマングローブ、そして根っこを見ることができます。
マングローブは東南アジアだけでなく、沖縄などでも見ることができるので
訪れた際にはぜひ根っこにも注目しながらマングローブを見てみてください!
またマングローブは養殖地への転換や潮風にも強い丈夫さから建設資材として伐採され、
その減少が問題となっています。マレーシアでも1970年以降20%ものマングローブが喪失したと推定されています。
防災林や沿岸部の生態系の要といったマングローブの役割はもちろん、
根っこのようにほかの植物とは少しかわった特徴を知り
すこしでもマングローブ、またその保全に興味を持っていただければと思います。
ジュンパラギ!
(記事内の画像はすべてこちらからお借りしました。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/mangrove/about-mangrove/mystery.html)