sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

進級論文「三田市に適合する再生可能エネルギー政策の分析ー賦存量の推計を通してー

こんばんは。佐山ゼミ4期生の谷上大輔(たにうえだいすけ)です。もし佐山ゼミ5期生でこのブログを読んでいる方がいれば名前覚えてください!たにがみと間違えないようにしてください(笑)

2月も終わりが近づいてきており、いよいよ就職活動が本格的に始まります。僕は公務員志望であるため、試験はもう少し先にはなりますが、この時期がとても大切です。時間を無駄にすることなく本番に向けて、課題を一つ一つクリアしていきたいと思っています。

さて今回は進級論文についての投稿をさせていただきます。

進級論文のテーマは、「三田市に適合する再生可能エネルギー政策の分析ー賦存量の推計を通してー」です。

【研究動機】

2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島原発事故を契機に、代替エネルギーの必要性が求められましたが、そこで注目され始めたのが再生可能エネルギーです。私はこの事故を契機に再生可能エネルギーに興味を持ち、1、2回生の時に独学で勉強してきました。そして今回進級論文において三田市再生可能エネルギー政策に関するテーマを設定したのは、これまで積み重ねてきた知識をアウトプットすると共に、再生可能エネルギー政策という地方自治体が主体となって行なっている政策について公務員を目指している上で考えたかったからです。また再生可能エネルギーについて多くの人にもっと深く知ってもらいたいと思ったことも動機の1つですので、是非このブログを最後まで読んでいただきたいと思っています。

【研究目的】

本研究は三田市再生可能エネルギーの賦存量を推計し、現状の導入量と比較した上で、なぜ導入が進んでいないかを自然条件、社会条件、その他の条件から考察することを目的としています。またそれを基に三田市に適合する再生可能エネルギーによる発電方法の分析も行ないました。

【研究内容・結果】

本研究では、再生可能エネルギーの内、太陽光、風力、水力、バイオマスによる発電を分析対象としました。まずそれぞれのエネルギーを使用することによりどれだけの発電量が期待できるかを知るために賦存量推計を行ないました。賦存量とは、ある資源について理論的に導き出された量のことを指しますが、簡単に言うと、三田市においてそれぞれの再生可能エネルギーがどのくらい存在しているかを推計しました。それぞれのエネルギーによって賦存量推計方法が異なるため、ここでは紹介しませんが、例えば太陽光であれば、太陽光パネル設置可能面積を求めるために、住宅の屋根面積や三田市における日射量を算出し、賦存量を推計しました。その結果三田市において多くの賦存量が存在することが分かりました。

しかし実際の導入量を見てみると、太陽光発電は多くの導入ケースが報告されていますが、それ以外のエネルギーによる発電はほとんどゼロであり、三田市における再生可能エネルギーによる発電は太陽光発電しか進んでいないのが現状です。風力、バイオマス、水力による発電は賦存量としては多く存在するのにも関わらずなぜ導入が進んでいないのでしょうか?GIS(地理情報システム)により作成した三田市の土地利用図を活用しながらそれぞれの発電推進における問題を考察しました。以下に簡単にまとめておきます。

風力発電風力発電の賦存量が存在する地域のほとんどが森林地帯である。つまり風力発電の導入は森林破壊を引き起こす。また三田市の多くの森林資源が民有林、天然林であるため、所有権・天然林保護の観点から導入が困難である。

バイオマス発電:林業の後継者不足が深刻になっており、安定した燃料供給が困難である。また風力発電と同様、所有権・天然林保護の観点から大規模な発電を行なうことが困難であるに加え、木材運搬のための道路整備も必要になってくる。

水力発電:河川や用水路への水車の設置には水利権許可手続きが必要である。費用対効果を得るためには大規模な発電システムが必要であるが、許可を取ることが困難である。

一方太陽光発電の導入が進んでいる要因は、国の固定価格買取制度に加え、三田市からの補助金制度が存在していることや個人単位での導入が可能であることなどが考えられました。例えば風力発電は地域共同で導入されるケースが全国的に見られますが、太陽光発電は住宅の屋根に設置するという個人単位での導入が可能であるため、比較的導入が容易なのです。

内容が分かりにくかったかもしれませんが、まとめると、ぞれぞれの発電に関して、賦存量はあるが導入が進んでいるのは太陽光発電のみです。水力発電バイオマス発電に関しては上記に挙げたように様々な課題がありますが、管理体制の整備や綿密な実地調査を行なうことで導入可能性は十分にあると考えられます。また風力発電の導入はかなり難しいと考えられます。

以上が私の進級論文の概要です。卒業論文に関してはまだ具体的なテーマは決まっていませんが、本研究においては賦存量・導入量推計の部分で正確なデータが導き出せていないという課題があったため、これを踏まえ、取り組みたいと考えています。最後に本論文を作成するにあたって、ご指導・ご協力をいただいた佐山先生、客野先生、三田市役所の伊藤さんには誠に感謝しております。また、とても長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。