sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

《留学体験レポートinマレーシア その19》

パギ~!こんにちは。現在マレーシアで社会貢献活動に参加している佐本朱理です。

 

滞在期間も1週間をきり、帰国はもう目の前!ブログの更新も今回を含めあと2回です。ぜひお付き合いください!今日は、「カンポンクワンタン」と言われるホタル観賞で有名なクアラセランゴール地域の観光名所を紹介したいと思います。

【外国人の観光客も訪れるホタルの名所】

カンポンクワンタン(Kampung Kuantan)は、マレーシア国内からだけでなく海外からの観光客も訪れるホタルの名所です。たくさんのホタルが木にとまって点滅する様子が、クリスマスツリーのようで美しいことから有名とのこと。ホタルがとまる木はマングローブなので、ホタルツアーは船に乗っての参加となります。岸から離れ、まっ暗闇の中で光るホタルは本当に美しく、自然っていいな~とほのぼのできる時間です。私は業務や、友人を案内する関係で3回ほど行かせてもらったのですが、(もしかすると帰国までにもう一回行くかも笑)ホタルもきれいで、天気が良ければ星も美しく見ることができ、「前見ても、上見てもきれ~い!笑」と大好きな場所です。

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↑こんな風にライフジャケットを着て、

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↑船に乗り込みます。

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↑同じMNSに派遣されている2人がクアラセランゴールに来てくれた時にも行きました。

 

船を漕いでくれるおじさんによりますが、捕まえて触らせてもらえることもあります。(見終わったら、自然に返してあげましょう。ホタルを持って帰るのがばれると、超高額の罰金が科されます。)

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↑罰金取りますよ~という看板。RM1000=約2万6千円。

ここにいるホタルは、日本のホタルのように、大きいサイズのホタルではなく、蚊の胴体が少し太くなったような小さなサイズのホタルです。私の勤務するクアラセランゴール自然公園でもたまにホタルを見ることができるのですが、カンポンクワンタンでホタルを見た時「あれ?これ家の中で見たことあるような…。さらに言えば、蚊やと思ってつぶしちゃったことあるような…。」と少し罪悪感を感じたのはここだけの話…。

 

【クアラセランゴールエコツーリズムを支えている】

「カンポン」とはマレー語で村のこと。このカンポンクワンタンもこの地域の村の人が、船の漕ぎ手や周辺のお土産物屋さんで生計を立てているそうです。小さな村が、豊かな自然を観光資源として利用し、生活の糧にしている。そしてクアラセランゴール地域の観光名所の一つとなっている。地域に根付いたエコツーリズムが成功している例だと考えます。

 

以前紹介したセキンチャンをはじめ、クアラセランゴールの観光地化は比較的成功していると考えます。一番の理由は首都クアラルンプールから、車で約12時間程度の距離で、日帰りでふらっとこれる、というのが大きいでしょう。

 

折角なので、この地域の観光名所を簡単にまとめます。

*クアラセランゴールの観光名所*

マラワティーヒル(マラワティーの丘周辺)

  • マラワティーヒル灯台がシンボルの猿への餌付けで有名な丘。博物館があったり、国王のお墓があったりと観光地として人気。
  • クアラセランゴール自然公園:私の勤務地。ジャングルトレッキングやバードウオッチングができる。事前にグループで予約すれば、マングローブ植林体験も可能。
  • 小さな水族館:現在閉館中←あまりにも規模が小さいため、来場者がツーリズムセランゴール(クアラセランゴールの観光課のようなところ)に不満が殺到していたらしい。
  • フィッシャーマンズビレッジ:中華系の方が住む漁村。カラフルな寺院があったり、シーフードの食べられる中華料理レストランがある。
  • イーグルフィーデング:船に乗って鷹に餌付けをできるところ。
  • カンポンクワンタン:ホタル観賞。

 

セキンチャン

  • ペディ―ヒル:お米の生産地。その一帯に広がる稲作の美しさから有名に。
  • ペディ―ボックス:船のコンテナを再利用して作られたカフェ&ドミトリー。カラフルでとってもおしゃれ。
  • ビーチ(正式な名前を忘れました):以前にも紹介したゴミが散らかった砂浜を地元住民で綺麗にして、観光地化された。船の廃材で作ったツリーハウスなども設置されている。

 

【カンポンクワンタンでの問題】

話はカンポンクワンタンに戻りますが、私がこのテーマを取り上げたのにはもう一つ理由があります。ホタルが生存するためには、周辺地域の自然環境が大切になってきます。しかし、カンポンクワンタンの環境はお世辞にも良いとは言えません。川に流れる大量のペットボトル、船着き場にたまっている大量のゴミ。

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ホタルの数も年々減少の一途をたどっており、10年前にカンポンクワンタンに行ったことがあるという人は「昔はもっとすごかった。」と漏らしていました。この問題に対応するため、準国営企業である電気供給会社(国内の電気供給を独占。)TENAGA NASIONALがカンポンクワンタン付近のホタルの生態調査を行う科学者のチームを作っていたり、AEONグループがホタルがとまる生息地となるマングローブの植林を行ったりと、様々な団体が行動を起こしています。

のような資金の豊富な企業が動くことも大変重要ですが、私はたった一回のアクティビティで終わらすのではなく、現地の人たちが、ホタルを守っていこう、そのために行動しようと長期的に思えるような環境教育が必要だと考えます。例えば、近くの学校の社会見学としてホタル観賞ツアーを行い、この観光資源として地域の経済を支える一因となっており、その自然保護を行うことは必要不可欠である、と地元の学生に環境教育を行うこと。などです。

自分は現在最後の業務として、「No littering(ポイ捨てだめ!)」「Don’t feed the monkeys(猿の餌付けへの危険性)」「Be eco-friendly by Furosiki(風呂敷でエコ!)」といった内容の絵本を書いています。これらの3作は、帰国までになんとかかききるつもりですが、このホタルを守るためのアプローチとしても、帰国後自分のできることをやりたいと考えています。

色んな所に行って、体験すればするほど、地域の抱える課題が見えてきて、もどかしくなります。このプログラムで長期滞在させていただいて、もの自然保護への地域の課題、そして環境教育の重要性を身に染みて実感しています。

 

今回もホタルの観光地の話かと思いきやの、おかた~い話でしたが、お付き合いいただきありがとうございます。

それでは!