sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

《留学体験レポートinマレーシア その12》

パギ~!おはようございます。現在マレーシアで社会貢献活動に参加している佐本朱理です。

気がつけばもう年の瀬。時間が飛ぶように過ぎていくとはまさにこのことだな、と感じる今日この頃です。

今日は私の勤務するクアラセランゴール自然公園の仕事内容を紹介しながら、ローカルの環境NGOが果たす役割についてお伝えしたいと思います。環境保護分野での途上国支援に興味のある人や社会貢献活動、とりわけMNSに興味のある人の参考になればうれしいです。

【クアラセランゴール自然公園の役割】

マングローブと二次林、またそれに付随する生物多様性の保護・観察

ここクアラセランゴール自然公園は、海に近い公園の一部がマングローブ林となっています。昔は公園の全土がマングローブ林だったのですが、一度海沿いに政府によって堤防が築かれ海の水が届かなくなり、内陸側にあったマングローブは枯れてしまいました。マングローブが枯れてしまった場所は、現在木々が枯れた後に自然再生した二次林と呼ばれる森となっています。その二次林と残されたマングローブを守ることがこの組織の使命となっています。そのため、植林活動で植えられたマングローブが適切に育っているか経過を観察するのも大事な仕事です。

 

マングローブの植林活動

学生が遠足やフィールドトリップでマングローブの植林活動を行ったり、社会人の方がCSR活動の一環として植林される機会を提供します。幅広い職種年代のたくさんの方に植林を行ってもらうことで、もし政府や企業がこの土地の木々を切り倒してゴルフ場にする!といったときにも、「私たちはここに木を植えたんだ!」と様々なところから反対の声が上がり、ここクアラセランゴール自然公園の森林を守ることに繋がるようにという意図もあるそうです。

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↑参加者の植林の様子

③環境教育

環境教育といってもその対象は様々です。小中学生が日本でいう「遠足」や「林間学校」のような形で自然公園を訪れ、植林、自然の中でのゲーム、公園内のガイドといったアクティビティを通じ、自然に触れたり、自然公園の動植物を紹介するプレゼンテーションを見てその重要さを学ぶこともあれば、大学生や研究者がフィールドワークとして利用する機会を提供することもあります。アクティビティ参加者、公園来場者に自然公園内の動植物、エコシステムについて学び、自然保護の意識啓発を行う機会を提供するのがクアラセランゴール自然公園の環境教育です。

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↑参加した大学生グループ。

 

エコツーリズムとしての自然公園

この自然公園のあるクアラセランゴールというエリアは、マラワティーヒルという灯台のある丘や、ホタル観賞や鷹への餌やりなどローカルな人を中心とした観光地としても有名です。クアラセランゴール自然公園もジャングルトレッキングやバードウオッチングができるということで、この地域のエコツーリズムの一端を担っています

 

⑤違法な漁への監視

地元の人が自然公園内の湖や湿地帯で、網やカゴをはり漁をしようとしていることがあります。魚やカニマングローブの重要なエコシステムの一部。パトロールを行い、網やカゴがあれば撤去するのも仕事の一つです。

 

⑥地元コミュニティとの連携

クアラセランゴール自然公園外に植林をすることもあります。プログラム担当の上司を中心に、地元の環境保全のため地域住民と協力し、マングローブを植林するそうです。

 

環境保護団体というと、「実際何するん?」という疑問を持つ方も多いかなと思いこのテーマについて書くことにしました。私もここに派遣されるまでに何んとな~くはイメージしていたのですが、派遣されてはじめてわかったこともたくさんあったので、シェアさせていただきました!

 

【おまけ:マレーシアってクリスマスとかお正月とかどういう感じ?】

最後に「マレーシアってクリスマスとかお正月とかどういう感じなん?」とよく聞かれるの、お答えしたいと思います:)首都クアラルンプールのような都会だと、クリスマスや新年に向けてのカウントダウンやお祝いもするのかもしれませんが、私の住む小さな町では、「クリスマス、新年を祝おう」という雰囲気は特になく、仕事も通常通りです。

クリスマス:イルミネーションやサンタの飾り物などは全く見かけませんでした。日本のキットカットやポッキーなどのお菓子がたくさんあるのでクリスマスパッケージが登場したりするのかな…?と期待していたのですが、特にそんなこともなかったです。「クリスマスはクリスチャンの行事、ムスリムはほかにお祝いの日があるから~」とマレー系の友達は言っていました。インド系や中華系の人もそれほどクリスマスは意識しておらず、それよりも今回のクリスマスはパブリックホリディとかぶっていたので、普通の休日を家族と一緒に過ごしたい、という様子でした。そう考えると、日本はクリスチャンが多いわけでもないのに、街中がクリスマスモードになるなんて、本当に変わった国だなと思います。笑

新年のお祝い:1月1日をお祝いするというよりも、1月28、29日に控える中華系の方がお祝いする旧正月に向けた準備が進んでいるように感じます。中華系の方が営むお店では、旧正月をお祝いするためのお菓子が店頭に並んでいました。

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2016年最後の更新だ!と思い、張り切って書いたらとても長くなってしまいました…。最後までお読みいただきありがとうございます。それでは、みなさま、よいお年をお迎えください!