sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

《留学体験レポートinマレーシア その9》

パギ~!おはようございます。現在マレーシアで社会貢献活動に参加している佐本朱理です。

 

今日は、マレーシアの食品表示を紹介し、そこから日本とも密接に関係しているマレーシアの「パーム油」プランテーションについて考えたいと思います。先日、佐山先生から頂いたコメントをいただき、改めて調べてみると面白い発見があったので、ぜひシェアできれば!と思いました。

【マレーシアと日本のインスタント食品の表示の違い】

インスタントラーメンの一括表示欄を例にマレーシアと日本の表示を比べてみましょう。

s_IMG_8110

日本のインスタントラーメンの一括表示の例。(「一般社団法人日本即席食品工業協会 インスタントラーメンナビ」http://www.instantramen.or.jp/dictionary/rules_01.html)」

s_IMG_8108

マレーシア人の友人におすすめされたMaggiというマレーシアでは有名なインスタントラーメンの食品表示

違いは主に2つあります。1つ目は、日本製品が一括で表示をしているのに対し、マレーシア製品は乾燥麺やスープと商品の中でもパーツごとに分かれて項目が設定してあることです。2つ目は、日本製品と「パーム油」とは表示されず、「植物油脂」と表示されているのに対し、マレーシア製品はpalm oilという具体的な名称を表示していることです。

日本では、法律で植物油脂の中でも具体的な名称を記載しなくても良いので、パーム油と表示されていることはあまりないそうです。パーム油は、安価で、今回のようなインスタントラーメンの乾燥めんや石鹸など様々な用途で使用が可能であり、しかも安定した収穫が行えるため、日本でも多くの製品に使用されています。しかし、パーム油を栽培する際には、もとあった森林をいったん全て焼き払ってプランテーションを作ることから、その森林を焼き払う際の煙害、そして生物多様性の消失や環境破壊が心配されています。また、一説には、健康にも悪影響があるとも言われています。

【マレーシアにおけるパーム油】

マレーシアではパーム油の栽培がとても盛んで、インドネシアと並び二大生産国であると言われています。実際、田舎の道路を車で走っていると、周りに植えられている木々はほとんどがパーム油生産のためのアブラヤシという木です。20代後半の上司によると、上司が生まれる前から、地元にはアブラヤシのプランテーションが根付いていたとのこと。マレーシアの経済を支えるための手段として、パーム油の栽培は欠かせないものとなっているのです。

【パーム油利用の持続可能性】

パーム油の利用を語るとき、必ずと言っていいほど取り上げられるのがこのパーム油の持続可能性についてです。パーム油は先にも挙げた悪影響への懸念のため、将来持続的に使用していくことができるのか、議論が巻き起こっています。私自身も、マレーシアに来る前に、このテーマについて調べていた際は「今すぐにでもパーム油のプランテーションに歯止めをかけるべきだ!」と考えていたのですが、実際にマレーシアに来てみると、そのパームオイルプランテーションのあまりの多さから、パーム油の生産がマレーシアの経済を支えていることを実感しています。他に、代わりとなる経済を支える手段も提案できないのに、一概にパームプランテーションをやめるべきだ!というのは、無理があると考えています。だからこそ、現地の環境保護NGOに派遣されている立場として、マレーシアの人がパーム油の生産によって享受できる経済効果とその環境への悪影響というはざまで、自分にできることを模索していかねばならないのだと感じます。本当に難しい…。

 

今日はインスタントラーメンの食品表示から始まり、マレーシアにおけるパームオイルの生産について考えました。これを読んだ方が、このテーマについて少しでも考えるきっかけになればよいと考えています。自分も、模索を重ねている最中なので、ご意見やコメントがあれば、個人的にでもお伝えいただけると嬉しいです。

 

【おまけ ~「そんなところまで知ってるの?!」やっぱり日本のポップカルチャーは世界共通~】

今日、同い年の女の子のインターン生との会話の中で、スタジオジブリの長編アニメーション映画「ハウルの動く城」が話題に上りました。「ハウルの動く城」はジブリ好きの私の中でも一番好きな作品!日本人でも「知ってはいるけれど、見たことがない…。」という人が多い作品なのですが、このマレーシアでも見られている!ということを知り、本当に嬉しくなりました。

日本のポップカルチャーは海外でも有名とはよく言われるのですが、海外の人はメジャーなものだけでなく、「そんなところまで知っているの?!」というところまで知っていることがあります。例えば、漫画。「ワンピース」や「ナルト」がメジャーなのはよく知られていますが、少女漫画も人気なのです。私が一番驚いたのは、タイ人の同い年の男の子が、少女漫画の中でも普通の人はあまり知らない作品を読んでおり、その漫画の主人公を通じ、「ツンデレ」という単語とその意味を知っていたことです。

日本のポップカルチャーが、海外のいたるところで愛されており、海外の人のその熱中度におどろかされます。笑日本人としてとてもうれしいです。

このようなポップカルチャーを通じ、コミュニケーションが円滑になることもよくあります。海外に留学を考える人は、外国人の話のネタとして、日本のアニメを見たり、漫画を読むのも、ひとつの手かもしれませんね!笑

それでは!