sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

台湾留学記 No.9

こんにちは! 台湾留学中の櫻井晴菜です(^^)

日本は今週から春学期の授業が始まったようですが、こちらはちょうど折り返し地点に来ています。 ゼミやサークルの新歓イベントに参加できないのが残念だな、友達に会いたいなと、 そろそろホームシックで日本に帰りたくなってきました。 ですが来週の中間テストを考えるとそうも言っていられません。 テストが終わったら友達と旅行に行く計画をしているのでそれを励みに頑張りたいと思います。

さて今回は台湾の公共衛生についてご紹介したいと思います。 私が住んでいる台北市内は全体的には、予想していたよりも衛生状況は良い方だと思います。 とは言っても、日本に比べると汚いなと思ってしまうところがあります。 1つは、トイレの紙が流せないこと。 台湾は下水の設備が日本ほど整っておらず、トイレットペーパーを流すと詰まってしまうので 備え付けのゴミ箱に使用した紙を捨てなければならないので、始めはゲッと思いましたが最近は慣れてきました。 2つ目に、タバコの吸い殻が多いこと。 台湾では、2009年から「煙害防止法」という公共の場での喫煙を罰する法律が定められましたが、 公共の場とは主に建物内を指すので屋外での喫煙はほとんど禁止されていません。 タバコの吸い殻のポイ捨ても禁止とされていますが、あまり守られておらず、道端には吸い殻がたくさん落ちています。 おそらく他の先進国と同じようにタバコに対する法律がさらに厳しくなり、タバコの税金も上がってきているので、 台湾でも禁煙の傾向にはなりつつありますが、まずは喫煙者のマナーを向上させることが大事だなとは思います。 その他にも私は飲食店でアルバイトをしていたので清掃の雑さには驚きましたが、慣れてしまえば大丈夫です。

そして、佐山ゼミ生として調べておきたかったのがゴミ問題です。 実のところ、台湾(台北以外は詳しくわかりませんが)では非常に細かくごみ分別をしなければなりません。 日本では、自治体にもよりますが、大きく分けて燃えるごみ、燃えないごみ、リサイクルの3種類ではないかと思います。 台湾では、2006年から大きく分けて一般ごみ、資源ごみ、生ごみの3分別制度が開始されました。 (参考画像: http://www.pwmi.or.jp/public/taiwan/01/images/019.jpg ) 中でも資源ごみは、プラスチック、缶、金属、ペットボトルなど細かく分かれていて分別が大変ですが、 すべての資源ごみ製品にはリサイクルマークが付いているので、使用後は資源ごみとしてまとめて出せば業者が分けてくれます。 (参考画像: http://llllife.org/ken/wp-content/themes/sight/img/20100509_1244198.jpg ) 学校など一部の施設ではごみ収集スペースの前に係りのおばちゃんやおじちゃんが居て、ゴミを分別してくれます。 こうして分別してからごみを出すと報奨金がもらえるそうです。 そして興味深いのが生ごみの種類が、「豚のえさ」と「堆肥」に分かれていることです。 豚のえさに分別されるのが、食べ残したご飯、魚や肉の骨や内臓、使用期限の切れた食品などで、 堆肥に分別されるのが、豚が食べられない調理する前のくず野菜(葉や根)、果物の皮や種、茶ガラ、蟹の殻、貝、 落ち葉、花などです。 私が住んでいる寮では、分別は一般ごみ、資源ごみ、厚紙類の3種類だけで良いので 自分で調べるまではこんなに細かく分かれているとは知りませんでした。

そして、ごみの回収方法も少し変わっています。 日本では地域ごとにごみステーションがあり、朝、火曜・木曜が燃えるごみ、水曜が燃えないごみが回収されるという風になっていると思いますが、 台湾にはごみステーションがなく、水曜と日曜以外は毎晩回収されます。 地域にもよりますが毎晩決まった時間に指定の場所にごみ収集車が来るので、近隣の住民はその時間に自分の手でごみを収集車に投げ入れます。 様々な理由が考えられますが、1つは有料の指定ごみ袋を使わなければならないことでしょう。 三田市もそうですが、台湾ではスーパーやコンビニエンスストアで売られている指定ごみ袋を使わなければなりません。 ごみステーション制度にしてしまうと、誰かが指定ではないごみ袋で捨てても分からないので、毎回係りの人がチェックしてから回収します。 この点では「汚染者負担原則(PPP)」をきっちり守っているように思えます。 もう1つの理由として考えられるのは、台湾の高温多湿な気候です。 実際に私の部屋も湿気がすごくてベッドにカビが生えてしまったのですが、 毎日回収しなければごみが腐って虫が湧いたりと衛生的に良くないからだと考えられます。

住民にとっては毎晩決まった時間に自分でごみを出さなければならないので不便かもしれませんが、 ごみステーションがないおかげで、大きな利点があることに気付きました。 それは、カラスに荒らされないということです。 そういえば、台湾は日本ほどきれいではないのに、カラスを一匹も見たことがありませんでした。 台湾人の友達に「日本にはカラスが多いよね?いつが一番多いの?」と聞かれて 「カラスは一年中多いよ」と答えるとびっくりしていました。 日本では、童謡の「夕焼け小焼け」に代表されるように歌曲や物語に登場し、文化的にも深い結びつきがあると考えられますが 近年では都市化に伴ってごみステーションのごみを目当てにカラスが増加し、それに伴ってカラスのイメージも悪くなっているのではないかなと思います。 考えてみると元々悪いのはカラスではなく、明らかにごみステーションを作ってカラスを呼んだ人間が悪いですよね。 確かに人々の暮らしは多様化し、決まった時間にごみを捨てるのは難しいかもしれませんが、 このままではカラス除けのネットを被せては破られ、というようないたちごっこが続くだけではないでしょうか。 逆に、忙しくても毎日決まった時間にごみを出す台湾人には尊敬しますね。

ここまで調べたことを紹介しましたが、前述したように私の寮では細かく分別する必要がなく、 指定のごみ袋を使って直接収集車に投げ入れる必要もないのでまだまだ知らないことがたくさんあります。 実際にきちんと分別をしている人はどれくらいいるのか、資源はどのくらいの割合でリサイクルされているのか、 一般ごみはどのように処理されているのか、、等調べてみたいことはたくさんあります。 特に、台湾人の友達に「台湾のごみ分別は複雑だからわからないよ」と言うと 「大丈夫、私もよくわかってない」とあっさり言われてしまったので、 台湾人がどれくらいごみ分別を理解しているのか、どのくらいの環境意識を持っているのか、 特に同年代の若者にアンケート調査をしてみるのも面白いかなと思っています。 まずは調査が出来るくらいの中国語能力を身につけようと思います(笑)。

エコアーク

いつの間にか写真がアップロード出来るようになったので、今回の内容とも関わりのある、

No.2でご紹介したペットボトルをリサイクルして作られた「エコアーク」という名前の建物の写真を挙げてみました。

再見!