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関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

進級論文「日本の食品廃棄物削減について ―欧州諸国との比較を通して―」

こんにちは、佐山ゼミ4期生の瀧原友里奈です。最近は暖かくなってきており、明日からはいよいよ4月ですね。新学期、皆さまが素敵なスタートを切られることを願っています!

さて、今回は進級論文内容について書きたいと思います。テーマは「日本の食品廃棄物削減について ―欧州諸国との比較を通して―」です。

【研究動機】

このテーマを選んだ理由は一人暮らしを経験し、自炊する機会が増えたりすることで食に対する関心が高まり、身近な食についてさらに考えたいと思ったからです。皆さんも食べ物が大量に捨てられるというニュースをしばしば聞くことがあるかと思います。農林水産省(2016)によると食品ロスは約632万トンであり、これは国民一人一人が一日当たり茶碗一杯のご飯を捨てているとも考えられることから大きな数字であることがわかります。また、食品廃棄問題は国際連合の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」やG7環境相会合などでも取り上げられており、国内のみならず国際的に議論されている問題だといえます。

【内容・結果】

食品廃棄物は事業系廃棄物と家庭系廃棄物から成り立っています。また、それぞれの廃棄物のうち可食部分と考えられる廃棄物、つまり本来なら食べられるにも関わらず捨てられる食品のことを「食品ロス」といいます。本論文では特に、➀日本における家庭系食品廃棄物の再生利用率(肥料化やメタン化など)の増加と②食品ロスの削減を目指して研究しました。

以上二点を考える上で、環境先進国で知られているスウェーデンと食品廃棄問題に対してヨーロッパを先導しているデンマークでの取り組みを日本の取り組みと比較しました。結果として、日本で家庭系廃棄物の再生利用率が低い理由として、家庭系廃棄物の異物混入の可能性の高さなどが考えられることがわかり、ごみの分別方法の改善や自治体などが利用者に優しいごみ分別のシステムを作る必要があると考えました。また、食品ロスの削減についてはデンマークでは過去5年間で25%の食料廃棄量の減少を成し遂げたという統計があり、それにはNPO団体やソーシャルビジネスが大きな役割を担っていることがわかりました。日本でもビジネス視点をもったNPO団体やソーシャルビジネスの拡大が食品ロスの削減に繋がることが期待できると考えます。

以上で報告を終わります。卒業論文でも同じテーマを取り扱うかは未定ですが、いずれにしても今回の論文執筆に関しては様々な反省点があるので次回はそれらを活かしていきたいです。お読みいただきありがとうございました。