sandasatoyamacamのブログ

関西学院大学 総合政策 佐山浩ゼミ(研究室)

進級論文について

こんにちは。佐山ゼミ新4回の内海です。

進級論文を執筆致しましたのでここで少し紹介させていただきます。

私のテーマは「自然体験のない子供の生育過程おける影響」についてです。

皆様は幼少期、青年期をどこでどのように過ごされていましたか?


私は、自然の中を駆け回り多くの自然体験をしました。そこでの学びや経験は今の自分に多くの影響を及ぼしています。
しかし、近年の子供たちは自然体験の機会が著しく低下しています。その原因に挙げられるは、スマートフォンの普及や自然の減少、社会的気風の変化があると考えます。

自然体験の有益性を文部科学省は、「学習意欲や勤労意欲の上昇、自立や社会適応力」に関連性を持たせています。

私たちがまず触れることの自然に「里山」が挙げられます。
これは日本固有の自然であり、独自の生態系を築き、現代においても安全性が高く、容易に触れ合うことのできる自然となっています。
農地、貯水池、人工林など整えられた環境から多くの生物が生息し、豊かな動植物を支える環境です。
しかし、人口減少や過疎化によって里山の維持が困難になったことにより、里地里山の喪失は加速していくと考えます。

では都心部ではどうでしょうか。
人口集中により居住地として土地が利用されるため、高密度で高い環境負荷を抱えた都市部において、自然環境を有した公園(子ども達が自然と触れ合う環境)等の設置は非常に困難です。
私有緑地となっている森林などは年々減少しており、都市部では多様性に富んだ生物の生息地が極端に少なくなってきているのが現状なのです。

自然体験によって獲得する精神的成長
  高橋健司らは、論文「生命の価値に触れる自然体験教育のSDGsの視点からの考察」の中で、2018年に改訂された『幼稚園教育要領』・『保育所保育指針』・『幼保連携型認定こども園教育・ 保育要領』を用いて、未成熟時の自然体験や外遊びの重要性を唱えています。要領の中には、「自然の大きさ、美しさ、不思議さに触れること」で「心の安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力」が養われると論じおり、自然環境を理解し自分以外の存在を認知することで他者に対して畏敬の念を抱き、公共心、探究心が培われる。これらは、自然がもつ偶然性や多様性を直接感じ取ることで習得するものである。と述べられています。
すなわち、社会で生きていく上で必要なスキルを自然体験の中から習得していることが明らかとなりました。

まとめ
自然体験が与える影響は触れ合う自然に対する生命の尊さや多様性の現実のみならず、五感で感じ直接触れることで自身の中にある感覚を刺激され自己成長へと寄与してくれるでしょう。これは、未成熟であり、野外で体験活動を日常的に行うことが許される未成熟時のみの特権なのです。
幼少期における自然体験が、有意なものであることが明らかになったとともに、現在の子ども達が体験できていない現状を危機的に捉え、「早急な対応」を実現させる、方法を今後の課題として模索していきたい。

拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。